稲荷神社の「正一位」、その真実とは? 

ぶろぐ

あなたの町には稲荷神社はありますか?

赤い鳥居とお狐さん、そして幟に書かれた「正一位稲荷大明神」という文字。

見かけたことありませんか?ところで、「正一位」とは何を意味するのでしょうか。

そして、その幟は本物なのか偽物なのか、考えたことはありますか?

今回の記事では、「正一位稲荷大明神」と呼ばれる稲荷神社の真実に迫り、位階と神階の歴史を探ります。

「正一位稲荷大明神」の「正一位」とは?

「正一位」とは、ざっくり言えば神様の位、身分を表すものです。
元々は朝廷から諸臣に授けられた位階で、朝廷の官人の地位を表す等級として使われました。
しかし、奈艷時代中期以降、この位階は神様にも授けられるようになりました。
神々に位を授けることができるのは、天皇だけ。この点が重要です。

そして、「正一位」という神階は、京都伏見の稲荷神社(現在の伏見稲荷大社)の稲荷神に授けられたものです。

「正一位」の位は他の神社にもあるの?

原則として、他の神社へ勧請された神さまが本社の神さまと同じ位階になることはありません。
しかし、朝廷の許可、勅許があれば、本社と同じ神階が授けられます。

そこで問題になるのは、伏見稲荷大社以外の稲荷神社で、「正一位稲荷大明神」と掲げられている幟は本物なのか、偽物なのかということです。

では、「正一位稲荷大明神」の幟は本物なのか?

神階制度は明治以降、廃止されました。
そのため、朝廷から授けられた神階を掲げることはできますが、勧請された稲荷神社の神様に、「正一位」を授けてもらうことは制度上不可能となりました。

ただし、朝廷の許可は得られないものの、本社である伏見稲荷大社が勧請に際して同位の神階(正一位)を授けるようになり、「正一位稲荷大明神」という尊称が一般化したと言われています。
それゆえ、現在、全国の稲荷神社で正一位と冠した奉納の幟を目にするのは、稲荷の神様に対する深い信仰の表れかもしれませんね。

では、この幟は本物か偽物かという問いに戻りましょう。
その答えは「どちらでもない」かもしれません。
それは、「正一位」という位は朝廷から神様に授けられたものであり、神社自体に授けられたものではないからです。

そして、そんな「正一位稲荷大明神」の幟が風に揺れている稲荷神社は、その神様への敬意と信仰の表れとも言えるでしょう。

さて、あなたの町の稲荷神社にも「正一位稲荷大明神」の幟が立っていますか?
もしそうなら、その幟を見つつ、稲荷神様への深い信仰を感じてみてはいかがでしょうか。

神社や神道に興味を持つことは、私たちの日本文化を深く理解する一助になります。
また、神社にお参りすることは、自分自身を見つめ直し、自然や歴史に思いを馳せる良い機会です。
是非、足を運んでみてください。

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